• 80年代アイドルを紹介しています。

田村英里子

本名:坂本絵理子
1973年1月16日生まれ
茨城県勝田(現・ひたちなか)市出身 B型
デビュー曲:「ロコモーション・ドリーム」
(1989年3月15日)
事務所:サンミュージック
レコード会社:東芝EMI
キャッチフレーズ:メインストリート、アイドル。

父親の仕事の都合で、8歳から13歳まで西ドイツのデュッセルドルフで過ごす。帰国後、受けたオーディション「決定!全日本歌謡選抜・スターは君だ」でグランプリを獲得し、芸能界入りとなる。各社からスカウトされたが、松田聖子、早見優、岡田有希子、酒井法子などの人気アイドルを送り出していた老舗プロダクション、サンミュージックに所属することとなった。

「全日本歌謡選抜スターは君だ!」真璃子、諸岡菜穂子などを輩出した文化放送のオーディションにてグランプリを獲得し、芸能界へ。ドイツ語について聞かれるもの日本人学校に通っていたため、「(客席の)母に聞いてください」と答える始末(笑)歌唱審査では荻野目洋子「湾岸太陽族」を歌う。ちなみにこのグランプリは他の子が獲得するはずだった…という。ソレを覆した彼女…エリコ、恐ろしいコ!

歌手活動スタート前に、ドラマ出演やラジオのパーソナリティーなどを経て、89年3月に「ロコモーション・ドリーム」でデビューとなる。ヒットメーカー筒美京平により作曲されたのポップな楽曲であり、平成の幕開け、アイドル歌手の登場には相応しい1曲となった。
肝心のボーカルは新人歌手にして堂々とし、明るく健康的な佇まいで、正統派アイドルの登場!として注目された。

この楽曲はカネボウ「朝シャン」のCMソングとして流れ、本人も出演となった。また、同時期に旺文社のイメージガールにも抜擢され、こちらのCMにも登場している。

期待の新人として雑誌掲載時には大きく扱われ、テレビやラジオ出演時には、「帰国子女だけど西ドイツでは日本人学校に通っており、ドイツ語は話せません…」という面白エピソードを語り、話題性たっぷりのデビューであった。

恵まれた環境でのデビューとなり、オリコンTOP10入りを果たし、上々の滑り出しとなった。

「ロコモーション・ドリーム」(89/オリコン最高9位・3.7万枚)…純白のドレスに頭には大きなリボン。ポニーテールが揺れる…。正統派アイドル登場!!の趣でゴザイマシタ。前年が美少女ブームに沸いた年だったので、この王道的佇まい+歯切れのよい堂々とした歌唱は、気分を高揚させてくれました。キラキラ!ワクワク!する今までの80年代テイストとは違うアレンジを施した小林武史氏は後にMr.Childrenのプロデューサー、My Little Loverの一員として脚光をあびます。2001年には銀河鉄道に乗り、あなたとハネムーンに行きたいと願う女のコの歌です。♪夢を叶えたいの~と歌う彼女自身の夢はというと…。

カネボウ「朝シャン」のCM。後ろの女性は元おニャン子クラブの富川晴美サン。同時期に旺文社のイメージガールも務めておりました。

さらに、デビュー翌月より彼女をモデルにしたアニメ「アイドル伝説えり子」が放映スタート。実在の歌手とタイアップしてのアニメであるため、オープニングの「涙の半分」(「ロコモーション・ドリーム」C/W)をはじめ、本編でも彼女の楽曲がふんだんに使われることとなった。

この番組で”えり子”が「エリリン」という愛称で呼ばれることから、彼女自身も「エリリン」と呼ばれるようになっていった。
また、番組最後には、本人が出演する「エリリンコーナー」にて、新曲、イベント、関連商品の告知も行っていた。

アニメ「アイドル伝説えり子」(89-90)…アイドル歌手としてデビューした「田村えり子」のサクセスストーリー。ストーリーは完全なフィクション。次々と襲い掛かる不幸に、それを煽る重苦しいナレーション。大映ドラマ的な作風で、そのクサさを笑いながら嵌った者も多かったのか、関連商品の売上は80億円に達したという。本編で「田村英里子」の楽曲が使用され、次回の予告前に”エリリンコーナー”が設けられ、新曲やイベントの告知を行っていた。アイドルの活躍の場が減っていくなか、なんというラッキーガールでしょう!!予告へつなぐ「来週の『アイドル伝説えり子』は一体どうなっちゃうの?」というセリフが実に可愛かった。日本での放送終了後も、スペイン、イタリア、フランス、中近東でもオンエアされたという。

80年代半ばから歌番組は曲がり角を迎えており、ポップスは若者、歌謡曲・演歌は中高年とユーザーが別れ、以前よりも視聴率が取れなくなり、歌番組はリニューアルのため試行錯誤を続けている時代。しかし、回復にならず、終了となる番組も多くなっていた。

それに伴い、アイドルたちも活躍の場が減少。前88年は「アイドル冬の時代」へ突入した初年といわれる年。それに変わって、バンドブームが起きていた。
そんななか、存分に自身をアピールする場に恵まれたアイドルであった。

2nd「好きよ」も作曲を筒美京平が担当、作詞には松本隆を迎える。稀代のヒットメーカー二人が作り上げた作品は、前作に続き好調であり、着実に人気を上昇させ「ザ・ベストテン」、「歌のトップテン」で注目曲として登場。
1stアルバム「May be Dream」は収録曲の全てが、筒美京平作曲という豪華盤となり、それを引っさげてコンサートも開催された。

「好きよ」(89/オリコン最高10位・2.8万枚)…前作に比べると、えらく歌謡曲的でありますが、クセになる楽曲。個人的には、間奏部分が歌謡曲チックで”好きよ”です。エリリンの髪型といえば、チャイナ娘風お団子ヘアが印象的デスが、この楽曲の後半頃からしていたのですヨ。歌唱時、声がたまに裏返り、ハラッ!とさせられる時もアリマシタが、終始笑顔で目が輝き、余裕を感じさせる部分も。大物になりそうな雰囲気を醸し出してオリマシタ。

3rd「真剣(ほんき)」は続いて筒美・松本コンビで作られたキャッチーな作品。「ザ・ベストテン」、「歌のトップテン」ともにランクインを果たし、人気アイドルの仲間入りを果たす。

また、この楽曲は、新人賞の晴れ舞台で歌われることとなった。
音楽に対する考えの変化から、賞取りレースに左右されない音楽活動を行うアーティストを中心に、ノミネート辞退者が増え、音楽賞の権威が徐々に失われつつあったが、まだまだも注目されていた時代。アイドルの売り出し方も色々だが、アイドルは新人賞に参加し、顔を売るのが通例。前年は天皇崩御により自粛傾向であったが、再び、新人賞レースが活気づく。
参戦の主要メンバーは、川越美和星野由妃細川直美、香田晋、そして、「ふりむけばヨコハマ」がロングランとなっていたマルシア。

この年の新人賞は、彼女とマルシアの一騎打ちであった。
大晦日「第31回日本レコード大賞」では、デッドヒートを繰り広げたものの、マルシアの頭上に最優秀新人賞が輝くこととなった。

「真剣(ほんき)」(89/オリコン最高9位・5.3万枚)…前2作とは趣を変え、イントロから攻撃的なチューン。サビも♪ちょっとやそっとの恋じゃない~とキャッチーに決まっておりました。人気音楽番組「ザ・ベストテン」、「歌のトップテン」にランクインし、新人賞レースで歌われたこともあり、彼女の代表的な作品。「歌謡ゴールデン大賞・新人グランプリ」を皮切りに多くの音楽祭で最優秀新人賞を獲得しました。「第31回日本レコード大賞」でも有力候補と目されており、開票が公開され、会場は親衛隊による英里子コールが響き渡りました。しかし、僅かな差で、マルシアに軍配があがり、敗北…。賞レースの末期を盛り上げてくれたエリリン、ありがとう。

デビュー1年目は王道アイドル路線を貫いたが、2年目は鈴木康博(オフコース)、平松愛理、織田哲郎などニューミュージック系の作家陣を迎え、ニューミュージックの香りがする作品をリリース。

音楽番組が相次いで終了し、アイドルを取り巻く環境が厳しくなるなか、近年デビューした他のアイドルより頭ひとつリードしている存在であったが、世間的には数多いる若手の一人といったところであったと思われる。

歌手活動のほかに、バラエティ番組、グラビア、Vシネマなど多岐に渡った活動をしていく。
色々と可能性を試すかのように…。

そして、この90年の冬、彼女が大いに注目されることとなる。

「プロセス」(90/オリコン最高7位・7.5万枚)…デビュー年は、曲も衣装も、バリバリのアイドルしていましたが、シリアスな楽曲をハリのある野太いお声で熱唱。衣装もボディコンチックで、オトナへの階段を上りはじめました。次への展開への過度期にあたる作品で地味な存在ではありますが前作「真剣(ほんき)」で勢いづいた影響もあり、オリコン最高位&最大売上げを記録。

「Domino」(90/オリコン最高10位・4.5万枚)…ニューミュージック系のライターを起用。作曲はオフコースの鈴木康博。作詞にブレイク前の平松愛理サンを起用。Wエリリンということでしょうか?声の色艶に磨きがかかり、ドレスがお似合いのレディへ。

「リバーシブル」(90/オリコン最高10位・4.1万枚)…夏の陽射し、湿度、風などを上手く表した詞・曲を平松愛理が…ソレに感情のこもったエリリンの歌声がノリ、清涼感溢れる作品に仕上がりました。♪なのに微笑みかわす私は誰~の辺りなど切なく聴かせてくれマス。”リバーシブル”という言葉を上手く使い失恋の気持ちを描いていますネ。エリリンもお気に入りだとか。また彼女の楽曲のなかでは、いちばん”好きよ”と言うファンも多い。2年目のジンクスを吹き飛ばした歌手に贈られる「第16回日本テレビ音楽祭」金の鳩賞を獲得。

「虹色の涙」(90/オリコン最高12位・4.2万枚)…織田哲郎が作曲をしたエキゾチック歌謡。前作より5ヶ月ものブランクが空いてのリリースとなりました。チャゲ&飛鳥の「万里の河」を彷彿させるような作品デス。

半分ヒップを披露した”半ケツカレンダー”を発表。

前年に宮沢りえがふんどし姿のカレンダーを発表し、話題となっていた。また、杉本彩や岡本夏生、かとうれいこなどのセクシーアイドルなどが台頭してきた頃でもある。しかし、彼女は正統派アイドルとして孤軍奮闘している存在であり、あり得ない内容。
ファンや歌謡曲愛好家などの彼女の活動を知る者は騒然とし、これで彼女を知ったという者も多かったと思われる。

91年カレンダー…17才の正統派アイドルの”半ケツ”にビックリ!! クラスでも「見たか?」と話題デシタ。正しくは”おしりルック”らしいが、そうは呼ばれず…。前年に”褌カレンダー”を出した宮沢りえチャンはアイドルだけどアイドルではない雰囲気でしたが、彼女は正統派アイドル。また、歌唱力バツグンなので、まさかの展開。デビュー2年目、広く認知されているとはいえない状況での発表だったため、知名度アップにはなったが、”田村英里子=半ケツ”のイメージが…。歌手の彼女が大好きだったワタクシはファンと公言できなくなってしまいました…。しかし、「いったい何処に向かっているのだろう?」と思いながら、カレンダーは購入。今も手元にありますヨ。13万部の売上げ。

良くも悪くもカレンダーにて知名度をアップさせ、活動の場を拡大させていく。

ドラマに出演し、脇ではあるものの女優に取り組む。クイズ番組のレギュラー出演、話題のアニメ「少年アシベ」主題歌「リトル・ダーリン」のリリースなど本格的なブレイクを目指し、方向性を探りながら活動してるかのよう見えた。

また、ショートカットにし、ビジュアルでのイメージチェンジを図ったのもこの頃である。

多岐にわたる活動

ドラマ「ナースステーション」(91)…菊池桃子サン、森口博子サン、水野真紀サン、田中律子チャン、中山忍チャン…当時の若手女優や駈け出しアイドルがナースを演じました。主演は田中実サン。お会いしたことがあるのですが、気さくで爽やかな印象を受けました。ご冥福をお祈りいたします。同じ頃に「君だけに愛を」にも出演。

日清食品CM「チキンラーメンどんぶり」(91)…チキンラーメンにどんぶりタイプが出た際にイメージキャラクターに選ばれました。空中を飛びながら商品をアピール。

「リトル・ダーリン」(91/オリコン最高12位・4.5万枚)…アイドルに詳しくない方には人気アニメの主題歌のコレが代表曲となるのでしょうか?この頃、髪をバッサリ切りイメージチェンジ。右は「ドキッ!丸ごと水着!!女だらけの水泳大会」で、本作を披露した時の姿。水泳大会の末期を西田ひかるチャンとともに盛り上げてくれました。”ミスフォトジェニック”を3度受賞しております。臨時発売「まかせて!チン・トン・シャン」(91/オリコン最高39位・1.5万枚)のリリースも。

そんななか、セクシーラテン歌謡といった趣の「誘惑のチャチャ」をリリース。それに加え同時期にドラマ「愛さずにいられない」における大胆な役どころ、前年に続くセクシーなカレンダー発売など、さらにオトナっぽく変身していくことに対し、ファンはいまひとつ受け入れられなかったようで、人気は鋭角に下降線を描き、急落。

アイドル冬の時代到来のなか、潔くアイドルしていた姿勢に加え歌唱力も兼ね備えているところが人気の源だったと思われる。
前年のカレンダー発売が、やはり彼女のアイドル人生の分岐点となったように思う。

「誘惑のチャチャ」(91/オリコン最高18位・2.8万枚)…冒頭から♪だめよ アンアンア~ン…とエッチい歌詞が炸裂。青少年だったワタクシは赤面しました。伸びやかで艶やかな歌声にナイスボディなので、セクシーな楽曲を宛がいたくなるのは分かりますが、もうチョットひねって頂きたかった。出だし「さそり座の女」に似てます。
92年カレンダー…”半ケツ”の次は”下乳”を披露。アイドルを取り巻く状況が変わり、正攻法ではブレイクできないと考え、こうなったと思われるが…。
ドラマ「愛さずにいられない」(91)…派手で傲慢なお嬢様、のちにキャバクラ嬢となり、改心する役どころで出演。吹き替えと思われるが、全裸で水浴びする後姿が…。人気俳優の吉田栄作主演のドラマでありました。

その後も、活動を続けていくものの、最盛期はデビューから91年までの約3年間。
アイドルらしいアイドルには厳しい環境なか、大ヒットには恵まれなかったものの、デビュー曲から6作連続でオリコンTOP10内に送り込んだ。
80年代の最後の最後に登場し、昭和のアイドルっぽい正統派な雰囲気で気を吐いた。

伝統的なスタイルで活動しながらも、歌手のほか、ドラマ、CM、バラエティ番組、そして、グラビア…と多くの分野に進出し、その後に登場するアイドル達の活動の礎を築き、時代と時代を繋ぐ存在でもあったと思う。

「Discovery」(91/オリコン最高44位・1.5万枚)…デビュー曲から問題作「誘惑のチャチャ」までを収録のベスト盤。シングルは良曲揃い。バリエーション豊かで、ソレを器用に歌いこなしていました。が、結局はセクシー路線に行き着き、撃沈というのが、なんとも残念…。今までは方向性を探るのではなく、迷走だったの?と。もっと爽やかなアイドルポップスをリリースし続けて欲しかったです。ブックレットに各シングルのリリース当時の心境が素直に語られています。新しく歌い直した曲もあり、歌に対する”真剣”な心が感じられマス。

アイドルとしての活動がひと段落し、その後の彼女が向かった先は!?
続きは田村英里子②で…

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